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【長い時間の記】
風に撫でられながら、私が本を買うときにいつも来ている本屋に着いた。

自動ドアを抜け、真っ先に地図帳売り場へ早歩きで歩いていく。

「・・・この県の地図帳は──。」

一度見渡したが、ない。もう1度見渡す。2度目は唇を噛みしめて、少し焦った。

ある、という期待を持ってもう1回見たけどなかった。

ショックというより、悔しかった。いつもならここで諦めるかもしれない──

「この県の地図帳はありますか?」

「この県のですか?確かめてまいりますね。」

これでなかったらどうやって調べよう・・・?友達に聞けば・・・分かるかな。

「1冊だけありました。」

「すみません。ありがとうございます。」

受け取って、さっそくこの町のページを探す。

目を細めてさっきの地図の問題と合う場所を探す。


「・・・。」

胸が苦しかった。悲しいような辛いような・・・。

求めていた場所は見つかった。見つかったけど、嬉しいとは思えなかった。

でも本当は、見つけたら嬉しいと思っていた場所だった。

「あの子」とよく遊んでいた公園だったから。


どうしようとか思っていたら、ふいに頭に女の子の透き通った声が届いてきた。

「早く来て・・・。私待ってるから。あなたが行く世界で・・・。」

何もかもが急すぎて分からない・・・。何なのこれ・・・。

懐かしい、よく知っているような聞いたことある声だった。


本屋を飛び出して、いつの間にか私はその場所に居た。

鎖が錆ついたブランコ。土のついた足跡がある滑り台。1箇所に盛り上がっている砂場。

「・・・こんなところに来たって何の意味もないのに。」

無意識に足を動かす。砂場へ向かっていった。

もう自分自身の意識がなかった。

砂場の木の枠に足を踏み入れた途端、またあの声が聞こえた。

「あなたは来てしまった。この時、この場から全て変わる。」

あなた誰・・・?私の知っている人の声に似ている。けど思い出せないの・・・。


とても悔しいわ。


きっと分かるときがくるよね?



「私が居る世界に来たら、すぐに会いに来て。待ってる。そっちの空間に扉を開ける。」

どこに居るの、と聞こうと思ったけどもう居ない気がしてやめてしまった。

扉を開けるって・・・どういうこと?あなたはこの世界に居ないってこと?

すると、上から異常な輝きの光が差し込んできた。

これからどうなるんだろう──。

その光に吸い込まれるようにして、私は今日この地を去った。



一応第一章は終わり。次は第2章です。
いよいよ本番で・・・

1章は急展開すぎに進めましたが勘弁(ぁ
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