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【長い時間の記】
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ポツ─・・・
手の甲に一粒の小さな水──・・・。

雨はなんでこんなに つめたいの・・・?



1.−小さな種−


一粒から始まった小さな水なのに。

傘を使う前に、肌も、髪も、地面も濡れてしまう。

「・・・課題やらなきゃ。」

灰色から黒色になったコンクリートの上を、前も見ずにひたすら走る。

私がそうしているんじゃなくて、雨がそうさせている。



家に帰っても誰もいなかった。きっと親はまだ仕事なのだろう。

私を自由にさせてくれない制服を脱ぎ捨てて、落ち着かせてくれる服を着る。

「私のにおいだ。」

雲で覆われた太陽は輝きを失い、私に光を浴びさせてくれなかった。

電気をつけたら、この薄暗い部屋には明るすぎる光が私の視界を邪魔した。

しばらく目を細める。やっぱり自然の光がいい。

仕方なく課題をしていたら、地図の問題が出題されていた。

「・・・ここは・・・」

見覚えがある。この地域に関する問題だから当たり前だけど。

でも・・・違う。必死に思い出したい。


何したら思い出せるだろう?と、しばらく考えていた。

地図帳を見てみれば何処か分かるかも・・・。

「探すってこんなに大変だったんだなぁ。」

地図帳を見る以前に、地図帳が見つからない。

面倒くさがりの私だから諦めればいい。けれども絶対に見つけたい。

思い出したいから・・・。思い出させてほしいから─―。



それから数時間家中を探す。何回も、何回も。それでも見つからない。

「もう、本屋さんで見てくればいいんだ。」

自転車の鍵と家の鍵を握り締めて、家のドアを開ける。

もう数時間経ったこのときには太陽は輝きを戻していた。

家の鍵を閉め、茶色く錆びついている自転車の鍵穴に、鍵を差し込む。

必死にこじ開けてサドルに跨り、ペダルを踏んでこぎ始める。

乾燥した冷たい風が、髪を、頬を撫でてくる。

「・・・明日は休日だし大丈夫か。」

こんなことしていて大丈夫なのかと思ったけど、明日は私の大好きな休日。





とりあえずここまで。第1章はまだまだあります。
1行空けると長くなってしまいますが・・・。
詰めても読みにくいと思いますので;
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